※当ブログではアフィリエイト広告を利用しています
目次
もう1ヶ月ほど前ですが、Red Hat社の認定試験であるOpenShift Administration(EX280)の資格を取得することができました。
この記事では、EX280を受験した経験から分かった、合格するために必要な勉強、難易度、合格するためのコツをまとめています。
これからEX280を受験しようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
なお、バージョンは2021年1月時点でv4.5がベースとなっています。v4.6以降の内容は出題されないので、勉強の際は注意してください。
なお、EX280はリモート試験のみとなっています。リモート試験の受験方法については以下の記事でまとめてますのであわせて確認ください。
- OpenShiftの基本的な操作について、幅広く出題される
- OpenShift経験者なら特に苦戦する要素はないはず
- OpenShift未経験からの資格取得は茨の道
EX280の出題範囲は、Red Hat社のサイトに記載があります。
順に見ていきましょう。
この項目については以下がリストされています。
- コマンドライン・インタフェースを使用して、OpenShift クラスタを管理および構成する
- Web コンソールを使用して、OpenShift クラスタを管理および構成する
- プロジェクトを作成して削除する
- Kubernetes リソースをインポート、エクスポート、設定する
- リソースとクラスタのステータスを確認する
- ログを確認する
- クラスタイベントとアラートを監視する
- 一般的なクラスタイベントとアラートのトラブルシューティング
- 製品マニュアルを使用する
ざっくりとした内容ではありますが、OpenShiftを使って何らかアプリケーションをデプロイし、問題がある場合は自ら解消できることが求められます。
全体的に言えることではありますが、実務経験があれば自然にこなせているため何の問題もないと思いますが、そうでない場合は学習範囲がかなり広いため「どうやって勉強すれば・・・」と思ってしまいます。
実務経験がない場合は、本を読んだり、関連する研修を受講するのが手っ取り早いかと思います。
何より、実技試験となっているため、手を動かして学ぶことが重要かなと。
この項目については以下がリストされています。
- 認証用に HTPasswd ID プロバイダーを構成する
- ユーザーを作成して削除する
- ユーザーのパスワードを変更する
- ユーザーおよびグループの権限を変更する
- グループを作成して管理する
ここについてはかなり直接的な記載となっているため、上記の内容を実施できれば問題ないかと思います。
この項目については以下がリストされています。
- ロールベースのアクセス制御を定義する
- ユーザーにアクセス許可を適用する
- 機密情報を管理するためのシークレットを作成して適用する
- セキュリティコンテキストの制約を使用してサービスアカウントを作成し、アクセス許可を適用する
ここについてもかなり直接的な記載となっているため、上記の内容を実施できれば問題ないかと思います。
この項目については以下がリストされています。
- ソフトウェア・デファインド・ネットワークをトラブルシューティングする
- 外部ルートを作成して編集する
- クラスタネットワークの進入を制御する
- 自己署名証明書を作成する
- TLS 証明書を使用してルートをセキュリティ保護する
SDNのトラブルシューティングってなんだよ・・・という感じです。実務経験を信じて私は捨てました。
クラスタネットワークの進入を制御・・・ネットワークポリシーのことだと思います。ネットワークポリシーはあまり実務で使ったことがなかったため、この機会に勉強しました。
あとは書いてある内容ができれば問題ないかと思います。
この項目については以下がリストされています。
- リソース使用量を制限する
- 増加する要求に合わせてアプリケーションを拡張する
- クラスタノードへの Pod 配置を制御する
ここについてもかなり直接的な記載となっているため、上記の内容を実施できれば問題ないかと思います。
ちなみに、「増加する要求に合わせてアプリケーションを拡張する」はPodの自動スケーリング機能のことと思われます。これについては実務経験がなかったため、この機会に勉強しました。
この項目については以下がリストされています。
- クラスタワーカー数を手動で制御する
- クラスタワーカー数を自動的にスケーリングする
ここについてもかなり直接的な記載となっているため、上記の内容をマニュアルを読みながらできれば問題ないかと思います。
EX280の難易度は、OpenShiftの経験がどれだけあるかによって大きく変わると思います。
個人的には大きく3パターンあると思います。
コンテナー未経験:★★★★★
Docker?Kubernetes?OpenShift?なにそれおいしいの?という人が会社の意向で受験することになった場合がここに該当します。
そもそもOpenShiftはKubernetesの実装であるため、Kubernetesを知っていることが前提となります。
また、Kubernetesはコンテナ技術を前提としているため、そもそもコンテナーって何?という部分をクリアしておく必要があります。
今までのスキルがほとんど活かすことができず、新しく学ぶことがほとんどとなるため、そのような人からするとこの試験はかなり難しいと思います。
お気持ちお察しします。頑張ってください。
OpenShift未経験:★★★
Kubernetesはまあまあ知っているけどOpenShiftは知らない、という人がここに該当します。
OpenShift固有の内容を勉強する必要がありますが、スキルの下地は整っているためそこまで苦戦しないはずです。
出題範囲と比べると、Kubernetesにない要素としては
- Web管理コンソールの操作
- 認証プロバイダーを使用したユーザー認証の設定
- IngressではなくRouteを使用したネットワーク設定
- OpenShift CLIの使い方
あたりでしょうか。
OpenShift実務経験あり:★
プロジェクトでOpenShiftの運用をしたり、クラスターの設計・デプロイを実施したことがある人が該当します。
私も半年ほど実務経験ありの状態挑みましたが、正直、かなり簡単だと思いました。
実際のプロジェクトで起こる数々のトラブルと比べれば、試験で出題される課題など微々たるものです。
大船に乗った気持ちで試験に挑みましょう。
DO180やDO280を受講して傾向と対策を掴んでおけば完璧です。
調べたところ、EX280を取得するための集中研修コースがあるようです。
OpenShift、ひいてはKubernetesやコンテナーのことを全く知らないという方であれば、そういった研修コースを受講するのが手っ取り早いと思います。
OpenShiftの業務経験がある程度ある場合、特に対策しなくても合格できるような印象です。仮に落ちてしまった場合でも、分からなかった部分を復習して再チャレンジすれば必ず合格できると思います。
私の場合、Red Hatの研修コースであるDO180とDO280の受講が推奨されていたため、2日ほど前からこれらの研修を受講しました。
内容はほぼ知っている内容でしたが、出題内容の傾向を知るために、オープン・ラボ(ハンズオン)の章だけ実施し、分からないところは回答を見て学習、という形で進めました。
実際に受験した感想としては、かなり近い内容が出題されていた印象だったので、Red Hat Learning Subscriptionを持っている場合は受講しておいて損はないと思います。
出題内容としては、当然ですが出題範囲と記載のある中から出題されているものと思われます。
逆に言うと、出題範囲に記載のない内容は出題されません。
問題の詳しい内容については当然書けませんが、問題に記載されているとおりにOpenShiftクラスターを設定することが求められます。
前提として推奨されているDO180、DO280の研修を受講し、ハンズオンをしっかりやっておけば問題無く作業できるレベルです。
個人的にはかなり簡単に感じました。
oc コマンドツールについては、オプションを全て覚える必要はありません。-h オプションをつければ使い方に関するヘルプが表示されるためです。
ざっくり覚えておいて、本番ではヘルプを見ながら作業するというのが効率よいかと思います。
制限時間は3時間とかなり長いですが、1時間ちょっとで全て回答し、その後のんびり1時間弱見直しに充てることができました。
EX280を実際に受験した経験をもとに、合格するために必要な要素をまとめました。
経験者的には思ったより簡単だと感じる内容だったので、気負わず頑張ってください!健闘を祈ります!