センチュリー TB4 KVM Dock PD60W レビュー|Thunderbolt 4対応KVMをついに発見

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どうも、はむきち(@hamkitchi)です。

ついにThunderbolt対応のKVMを手に入れました。めちゃくちゃ探してたんですよ、これ。

MacBook ProとWindowsデスクトップの2台持ちで、4Kディスプレイ2画面を切り替えて使いたかったんですが、今まで使ってた構成がもう限界でした。配線ぐちゃぐちゃだし、画面映らなくなるし散々でした。

そんな中でついに見つけたのがセンチュリーのTB4 KVM Dock PD60W。一週間使ってみてかなり満足してるので、これから購入検討している方向けにリアルな使用感をお届けします。

なお、このレビュー記事では、

  • プラス要素については青線
  • マイナス要素については赤線

で表記していますので、記事を読む際に参考にしてみてください。

なんでこの製品買ったの?|今までの環境と課題

従来環境の限界

私の環境はMacBook Pro(M1 Pro)Windows自作デスクトップPCの2台体制です。

使ってたのはこんな構成でした。CalDigit USB-C HDMI DockをMacBook Pro側に、TESmart KVMスイッチを間に挟んで、複雑な配線でWindows→KVM(HDMI×2)、Dock→KVM(HDMI×2)、KVM→ディスプレイ(HDMI×2)という感じです。

何がダメだったかというと、まず配線が複雑すぎました。HDMIケーブル6本でデスク周りがカオス状態。そして不安定すぎて、スリープ復帰後に1画面映らなくなることが頻発。接触不良で突然画面が消えることもありました。さらに機器とケーブルで作業スペースが圧迫されて、デスクが使いにくくなってしまっていました。

これは移行を試みている途中の画ですが、配線が終わってます。

終わっている配線

Thunderbolt KVMとの出会い

Thunderbolt対応KVMは定期的に調べていました。過去にThunderbolt 3対応のやつを見つけたことがあったのですが、レビュー見ると「デスクトップPCに給電されてマザーボードが壊れた」みたいな報告が散見されて流石に手が出せずにいました。

そんな中でたまたま見つけたのがセンチュリーのTB4 KVM Dock PD60W。

Thunderbolt 4対応KVMは調べた限りではこれとあと数点くらいしかありませんでした。安心?の国内メーカー、4K 2画面+周辺機器切替という要件にも完全にマッチしていました。さらに秋葉館のセールで通常より安く買えたのも決め手でした。

正直、相性問題はつきものなので「ダメだったら諦める」つもりで購入しました。購入時は店員さんも検証結果を教えてくれました。

補足

この手の製品は相性問題が起こりやすいため、購入前にPCのThunderbolt 4対応状況を必ず確認してください。特にデスクトップPCの場合、マザーボードやThunderboltカードの仕様をチェックしておきましょう。

開封〜設定まで

開封の儀

箱から出した第一印象は「高級感あるな」って感じでした。

光沢仕上げで見た目はいいんですが、指紋めっちゃ付くのが気になります。神経質な人はちょっと嫌かも。

付属品は充実してて、専用Thunderbolt 4ケーブル2本が入ってます

 TB4 KVM Dock PD60W

机の裏などに貼れるマグネットシールも付属。切り替えスイッチを貼り付けておくことができます。

切り替えスイッチ用のマグネット

設定はカンタン

説明書はざっと読んだ程度で、基本的には繋ぐだけです。簡単。

ただし注意点がいくつかありました。

付属のケーブルが短くて別途購入が必要だったのが一つ目。私の環境では机からディスプレイまでの距離があるので、長めのThunderboltケーブルを追加で買いました。

Thunderbolt4認証を受けていて2mのケーブルとなると5千円以上します。ケーブルにそこまで出すのはちょっと・・・と思い調べたところ、Cable Matterのケーブルを発見。認証がない分安く、レビューを見ても互換性ありそうだったのでこれを2本調達しました。

二つ目はWindowsの自作PCでの設定です。ASUS Thunderbolt EX4を使っているんですが、最初思ったように出力されませんでした。BIOS側でThunderboltを有効化する必要があったんですね。これは関連記事として別途レビュー書く予定です。

三つ目は給電の仕様です。非アクティブとなっているポートでは給電されません。今考えれば当然の仕様ですが、あまり想定していませんでした。

補足

PC2台の同時充電はできません。切替スイッチで接続が有効になっているポート側のみ給電が行われます。常時充電が必要な場合は、別途充電手段を用意しておく必要があります。

実際の使用感|使ってみてどうだった?

配線のスッキリ感すごい!

配線が劇的にシンプルになりました。もうこれだけで買った価値ありです。ただまだ片付けができていないので写真は出せません・・・

CalDigitのドックは新しいドックから繋いで再利用してるんですが、TESmartのKVMは不要になったので売却予定です。

切替性能について

切替時間は10-20秒程度かかります。思ったより時間かかりますが、そんなに頻繁に切り替えるわけでもないので許容範囲です。

一番重要だった安定性については、画面が映らなくなる事象は今のところ皆無です。これ、本当に重要でした。一番実現したかったことなので素晴らしいです。

給電の制限がちょっと不便

非アクティブとなっているポートでは給電されません。Windows PC使用している時にMacBookは充電されないんです。これはちょっと不便ですね。

周辺機器統合のメリットがやばい

Thunderbolt経由で全デバイスを一括切替できるのが最高です。

3つのThunderbolt 4出力のうち1つをCalDigitドックに接続して、有線LANなど追加インターフェースも確保できてます。CalDigitのドックは有線LANポートがあるのが大きいです。

技術仕様をチェック

コア仕様

PC接続側にThunderbolt 4が2ポート(40Gbps)、デバイス側にThunderbolt 4が3ポートとUSB 3.2 Gen2が4ポートついてます。最大解像度は8K@60Hz(DSC1.2有効時)で、給電能力はPD3.0対応の最大60W(1対1充電)です。

KVM機能の実装

切替は物理スイッチによる手動切替で、エミュレーション機能はありません。切替時間は実測で10-20秒、LED表示で接続状態を確認できます。

対応デバイスは有線接続のキーボード・マウス、USB接続ストレージデバイス、USB-CやThunderbolt 4対応モニターなどです。注意点として、Bluetoothデバイスは切替対象外になります。

補足

Bluetoothキーボード・マウスは本製品経由では動作しません。Apple Magic Mouse、Apple Magic KeyboardもBluetooth接続のため切り替えできません。有線接続のキーボード・マウスを用意する必要があります。

ドングルは相性問題がありサポート外という記載がありましたが、ロジクールの無線キーボードとマウスのドングルは動作しました。

4K60Hz 2画面出力の実力

デスク環境と結果

デスク環境はBenq EW3270U(31.5インチ、4K)2枚ののデュアルモニター、PCはMacBook Pro 14インチ(M1 Pro)と自作のWindows PCです。

結果として、4K@60Hz デュアル出力で安定動作を確認できました。遅延はオンラインゲーム中でも気にならないレベル(<1ms ?)でした。

Thunderbolt 4の帯域幅40Gbpsを活用できているため、2画面4K出力時でも帯域不足による画質劣化は発生しませんでした。

Apple Studio Display との互換性

参考情報として、Apple Studio Displayとの完全互換性があるようです。Thunderbolt入力が1つしかないStudio DisplayをMac StudioとMacBook Proで切替利用できるらしく、Apple環境のユーザーにとってはメリットになりそうです。私は使っていませんが、この用途で検討している方もいるかもしれません。

なぜこの製品しか選択肢がないのか

Thunderbolt KVM市場の現状

正直言って、Thunderbolt 4対応のKVMドックはこの製品以外に選択肢がほぼありません

一般的なドッキングステーションは山ほどありますが、それらはすべて単一PC向け。AnkerやBelkin、OWCなどから優秀なThunderbolt 4ドックは出ていますが、KVM機能はついていません。

つまり従来は選択肢が限られていました。HDMIベースのKVMと個別ドックを組み合わせる方法(私が以前使っていた構成)、手動でケーブルを差し替える方法(現実的ではない)、諦めて片方のPCだけ使う方法(もったいない)くらいしかなかったんです。

この製品の希少性

TB4 KVM Dockが素晴らしいのは、KVM機能とドッキングステーション機能が一体化されている点です。

  • PC2台の切替が物理スイッチ1つで完結
  • 周辺機器もすべて一緒に切り替わる
  • Thunderbolt 4の40Gbps帯域を活用
  • 配線がシンプルになる

これまでこういう製品は存在しなかったので、センチュリーがニッチな市場を開拓したという感じですね。

ただ、個人的には有線LANSDカードリーダーも欲しかったです。ただこれは別途購入すれば良い話ではあります。私は既存のDockを流用しています。

導入時の注意点

互換性の確認

必須要件として、Thunderbolt 4対応PC(USB-Cでは動作しません)、対応OS(Windows 10/11、macOS 11.7以降)が必要です。

補足

本製品はThunderbolt 4専用です。USB-CポートがあってもそれがただのUSBホストインターフェイスの場合は動作しません。Thunderbolt 4のコネクタ形状とUSB Type-Cの形状は同一なので、購入前に必ずThunderbolt対応を確認してください。

制限事項として、繰り返しになりますがBluetooth機器の切替はできません。また、PC2台同時充電もできません。

買う理由!買わない理由…

買う理由

  • 唯一無二のThunderbolt 4 KVM
  • 4K 60Hz 2画面の安定動作
  • 周辺機器まで一括切替
  • 国内メーカーの安心サポート
  • Apple Studio Display完全対応
  • 配線のシンプル化でQOL爆上がり

買わない理由

  • 45,800円という価格
  • PD出力60Wは現代的なノートPCには不足感
  • Bluetooth機器非対応
  • 切替時間10-20秒
  • 相性問題のリスク

まとめ

どんな人におすすめ?

マルチPC環境のプロ、Mac + Windows環境の人には強くおすすめです。もちろんmacOS同士でも使えます。あとは4K高解像度で作業するデザイナーやエンジニア、クリエイターの方。周辺機器統合を重視してThunderboltエコシステムを活用したい人にもぴったりです。

導入前に確認すべきことがいくつかあります。デスクトップPCのThunderbolt 4実装状況は事前にチェックが必要です。付属ケーブル長で足りるかどうかも確認しておきましょう。あと非アクティブPC充電不可の制約も理解しておく必要があります。

総評

HDMIやDisplayPortを使った4K 2画面KVMは多く存在しますが、Thunderboltを使って周辺機器まで一緒に切り替えできるのがこの製品のいちばんのメリットです。

金額を考えなければこの商品は非常におすすめです。

使用した実体験として、従来のHDMI KVM + ドッキングステーション構成で抱えていた不安定性が完全に解消され、作業効率が大幅に向上しました。

特に3つのThunderbolt 4出力を活用することで、既存ドッキングステーションとの組み合わせも可能となり、拡張性において他の追随を許さない優位性があります。

この製品は期待を上回る安定性と利便性を提供してくれています。

マルチPC環境でのThunderbolt 4機器共有というニッチな領域ではありますが、明確な要件がある人に対しては価値のある製品だと思います。

これから使っていくのが楽しみです。

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